成年後見制度のメリット・デメリットを解説!柔軟な金銭管理の方法とは?
成年後見制度は、認知症・知的障害・精神障害といった理由で判断能力が低下した方をサポートするための仕組みです。法律行為や財産管理などを、本人に代わって行うことができます。
こちらでは、成年後見制度のメリット・デメリットを解説します。また、より柔軟な金銭管理のポイントについても解説するので、ぜひチェックしてみてください。
成年後見制度を利用するメリット
例えば親が認知症になった場合、必ずしも後見人をつけないといけないわけではありません。しかし、成年後見制度を利用すると、以下のようなメリットが得られます。
本人の代わりに財産管理ができる
成年後見制度を利用すると、成年後見人などが財産管理を行うことになります。本人の通帳も預かるため、本人がお金を使いすぎたり、親族が勝手にお金を使ったりといった問題を防ぐことが可能です。
成年後見人は定期的に裁判所へ報告する義務があるため、不正を行っていないかどうかは裁判所がチェックしてくれるため安心です。
本人の代わりに契約の締結ができる
判断能力が低下した際でも、場合によっては介護や医療に関する契約が必要になります。そういった場合に代わりに契約を締結できる点はメリットといえます。
契約の取り消しも可能
本人が不利益な契約をしてしまった場合でも、成年後見人であればその契約を取り消すことができます。悪質・不利益な契約から本人を守れる点は、メリットの一つです。
成年後見制度にはデメリットもある?
成年後見制度はメリットだけでなく、デメリットもあります。成年後見制度をうまく活用するために、デメリットも把握しておきましょう。
手続きの手間がかかる
成年後見人を決めるための手続きには、家庭裁判所への申立てが必要です。書類の準備や手続きで負担がかかる点は、デメリットの一つといえます。
報酬が発生する
親族が後見人になった場合でも、月2万円前後の報酬を支払う必要があります。また、弁護士や司法書士といった専門家が後見人になる場合は、さらに高い金額を支払わなくてはいけません。
財産を自由に使えなくなる
成年後見制度は「本人の財産の保護」が目的であるため、孫にお小遣いをあげたい、家をリフォームしたいなどの理由でも、自由にお金を使えない可能性があります。
また、資産運用ができない点もデメリットといえます。
成年後見制度でできることとできないこと
成年後見制度は、認知症・精神障害・知的障害といった方をサポートするための制度です。メリットでも説明したように、成年後見人が本人の代わりに財産管理をしたり、契約の締結や取り消しができたりするものです。しかし、成年後見制度ではできないこともあります。成年後見制度でできること・できないことについて、事前に把握しておきましょう。
成年後見制度でできること
後見人の類型によってできることに差はありますが、基本的には以下のことが可能です。
- 預金口座の管理や解約、引き出し
- 不動産の管理や処分
- 賃貸借契約の締結や解除
- 遺産分割など相続に関する手続き
- 介護保険や介護サービスに関する手続き
成年後見制度でできないこと
後見人制度とは、そもそも被後見人に代わって法律行為を行うものなので、「事実行為」や「身分行為」は行えません。事実行為は被後見人に直接労務を提供することで
- 日用品の売買
- 施設や病院への送迎
- 介護
などが該当します。身分行為とは法律上の身分関係に関するもので、
- 婚姻や離婚
- 身元保証人や身元引受人になること
- 養子縁組
- 遺言書の作成
などが該当します。
成年後見制度の利用を検討したほうがよいケース
成年後見制度は、具体的にどのようなケースで必要となるのでしょうか。成年後見制度が必要となるのは、認知症・知的障害・精神障害などにより本人の判断能力が不十分な場合で、主に2つのパターンが挙げられます。
本人だけでは契約や手続きができない場合
「銀行で預金の解約手続きを行いたい」「本人が介護施設に入所するため、自宅を売却したい」「相続のため遺産分割協議を行いたい」といったケースです。こうした手続きは、原則として本人のみに認められています。成年後見制度を利用すれば、成年後見人が本人に代わって必要な契約や手続きを行うことが可能となります。
詐欺被害や財産の使い込みなど、本人の財産管理が心配な場合
「高齢の親が詐欺被害に遭わないか心配」「親族が本人の預貯金を使い込んでいないか心配」「障害を持つ子供の将来が心配」といったケースです。成年後見人が本人に代わって適正な財産管理を行うことにより、詐欺などの犯罪被害や財産の使い込みを防ぐことができます。
柔軟な金銭管理をするためのポイント
成年後見制度を活用すると、財産管理のため自由に財産を使えなくなります。そのため、もっと柔軟に金銭管理をしてほしい場合は、以下の方法もあります。
任意後見制度
任意後見制度は親族や友人以外が成年後見人等になることもあります。そのため、親族や友人など信頼のできる人と任意後見契約を結んでおけば、お金の使い道をより柔軟に決めることができます。
民事信託
資産運用を検討している場合などは、民事信託の利用も一つの手段です。成年後見制度と併用することも可能です。
日常生活自立支援事業
通帳や有価証券などの預かりや、預貯金出し入れのサポートなどを行ってくれる自治体もあります。お住まいの自治体にこういったサービスがないか一度確認してみましょう。
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成年後見制度とともに注目される家族信託とは?
成年後見制度とともに、認知症対策として近年注目されているのが、家族信託(民事信託)です。家族信託とは、信託契約に基づいて家族や親族に財産を託し、管理・運用・処分を任せる方法です。本人の判断能力があるうちに信頼できる家族に財産管理を託すことで、認知症などを発症した後も財産を有効活用できます。
家族信託には、以下のようなメリットがあります。
- 受託者の判断で柔軟な財産管理ができる
- 次世代の相続を指定できる
- 高額な信託報酬が発生しない
成年後見制度との大きな違いは、本人の判断能力があるうちに利用できる点です。家族が受託者として財産管理を行うため、成年後見制度よりも財産管理の自由度が高く、費用も比較的抑えられます。ただし家族信託では、身上監護(本人の生活・医療・介護などに関する法律行為)はできません。特徴をよく理解した上で、成年後見制度と比較することが重要です。
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成年後見の手続き方法や必要書類、成年後見制度、成年後見人による相続の進め方についてよくわからないという方も多いでしょう。認知症・知的障害・精神障害などにより、判断能力が不十分な方や一人で決めること、様々な手続き・契約することに不安のある方をサポートするのが、成年後見制度です。成年後見制度を利用することで、本人の生活保護や契約・財産管理をスムーズに行えます。
成年後見人制度は主に「任意後見人制度」「法定後見人制度」に分かれており、知多の相続相談処では任意後見・法定後見ともにサポート可能です。愛知県半田市で相続や成年後見のことなら、お気軽に知多の相続相談処までお問い合わせください。
成年後見についてのコラム
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